ファスティングは、体重の減少や胃腸の働きを改善するなどの効果があるといわれています。しかしファスティングを始めると体調が崩れる場合があり、効果が出る前に辞めてしまうかも。続けていれば効果がでるのに途中で辞めてしまうのはもったいないですよね。そういうわけで本記事では、ファスティング中に起こる体の変化についてお伝えします。
ファスティング中のふらふらは好転反応のせい？
ファスティングを初めて2～3日目に起きる、頭痛、めまい、吐き気などは好転反応と呼ばれる症状で、体内から毒素が抜けている証拠になります。ここでは好転反応がなぜ起こるのかと、好転反応のステップ、病気と好転反応の見分け方を解説します。
好転反応はなぜ起こるのか
ファスティング中は食事を摂らないため、体内のエネルギー源となるブドウ糖が少なくなります。その状態が2～3日続くと体内に貯蔵していたブドウ糖が枯渇し、体が「ケトーシス」という状態になります。ケトーシスはエネルギー源がブドウ糖ではなく、脂肪を燃焼し得られるケトン体に切り替わった状態です。
体がこのケトーシスの状態になると、吐き気や頭痛、倦怠感、下痢などの不快な症状を引き起こす可能性が高くなります。これがファスティング中の好転反応のメカニズムです。
好転反応の種類と段階
ファスティングで起こる好転反応は4段階に分類できます。ここではそれぞれの特徴について見ていきましょう。
・弛緩反応
弛緩反応とは、ファスティングを始めて最初に起こる症状です。この段階では細胞から排出された毒素や老廃物が血液中をまわることで、倦怠感や眠気、発熱などの症状が表れます。
・過敏反応
次に起こるのが過敏反応です。過敏反応では体の悪いところに痛みがでたり、下痢や便秘、発汗などが起こったりします。
・排泄反応
排泄反応では、老廃物を出すために体が排泄機能を活発化させます。症状としては吹き出物や発疹、目ヤニ、肌荒れなどがあげられます。
・回復反応
血液中の老廃物が排出され、全身が綺麗な血液が周るまでを回復反応といいます。この段階では発熱や吐き気、腹痛、動悸などが起こりますが、この段階を乗り越えれば体調は正常な状態に戻っていきます。
好転反応の見分け方
ここでは好転反応の見分け方について解説します。反応の見分け方を知っておくことで他の病気であった時、早期発見に繋がるでしょう。
・複数の不調サインが出ているか
好転反応は一種の反応が強く出るというよりも、いくつかの症状が同時にでることが多いです。たとえば弛緩反応の段階であれば倦怠感と眠気と発熱といった具合です。これが発熱だけであったり、強い頭痛だけであったりする場合には、医療機関の受診を検討したほうが良いでしょう。
また体が万全でない状態でファスティングを始めた場合には、具合が悪化する危険性があるため、元気な時に行うことも大切です。
・不調サインとともに好調サインが出ているか
不調サインと好調サインが同時に出ることも好転反応と病気を見分けるコツです。たとえば「下痢であるが、体の調子が良い」「痛みが出ているが、お通じが良くなった」などです。
・我慢できる程度であるか
好転反応は体の悪い部分を直しているので、多少の痛みや発熱を伴います。しかしその痛みが我慢できないような痛みや、高温の熱である場合にはファスティングを中止し、様子を見たほうが良いでしょう。数日たっても症状が改善しないようであれば医療機関を受診することを推奨します。
血糖値低下が原因の場合もある
ファスティング中は食事をあまりとらないため、低血糖を引き起こす場合もあります。ふらふらする、強い眠気、疲れやすい、意識が散るといった症状が続くようであれば、血糖値を上げるために酵素ドリングや果物、雑穀米などを摂取してみましょう。
この時に大切なのが血糖値を急激に上げないということです。血糖値を急激に上げると落ちるのも急激になるため、低血糖に戻ってしまい症状が改善しません。こういったときには血糖値を上げにくい「低GI食品」を活用してみてください。
ファスティング中のめまいの対処法
「ファスティング中にめまいがして困った」なんて経験をしている方も少なくありません。ここではめまいの対処法をお伝えします。
こまめな水分補給
人は一日に意識せずとも2L程度の水分を摂取していると言われていますが、その半分程度が食物に含まれる水分です。ファスティング中は口にする食事の量が減るため意識して水分を補給する必要があります。水は一度に大量に摂取しても吸収される絶対量は変わらないため、余分な水は全て尿として排出されてしまいます。体内に水分を十分蓄えておくためにも「こまめな水分補給」は忘れないようにしてください。
睡眠
体に休息が必要な時はやはり睡眠を取るのが効果的です。お仕事で難しい方もいるかもしれませんが、仕事の合間に15分程度お昼寝をしたり、いつもよりも1時間はやく就寝してみたりすると症状が落ち着くかもしれません。
まとめ
本記事ではファスティング中に起こる「好転反応」についてお伝えしました。ファスティングを始めたのに、すぐ体調が悪くなって「体に合っていないんだ」とすぐやめてしまった方もいるでしょう。しかしその症状はもしかしたら体が良い方向へ向かっているサインかもしれません。好転反応と病気の違いを見極められるようにして、ファスティングに挑戦してみてはいかがでしょうか？
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