酵素ドリンクとは？
酵素ドリンクとは新鮮な野菜や果物、きのこ類などを長期間発酵させて抽出した液体をドリンクにした商品です。一般的に酵素ドリンクの多くは、製造段階で発酵の処理が行われた状態で作られます。
素材を発酵させる過程で素材本来が持つ栄養素だけではなく、素材の酵素や新しい栄養成分も加わり、より栄養価の高いドリンクになるのです。また長期間発酵させたことによって野菜や果物をそのまま食べるよりも栄養価は高くなり、栄養成分は体に消化・吸収しやすい形になっています。効率的に栄養を摂きるドリンクと言えます。
そのまま飲むのはもちろん、水割りや炭酸割りミルク割り、ヨーグルトにかけて食べるなどアレンジのバリエーションが豊富です。置き換えダイエットの食事代わりに飲んだり、栄養補給として摂取したりといつでも飽きずに飲めます。アレンジの幅が広いので置き換えダイエットをする場合にも継続しやすいです。
発酵ドリンクとは？
発酵ドリンクは乳酸菌や麹菌、酵母などの微生物の働きによって食品を発酵させて作ったドリンクです。酵母菌を含む甘酒や乳酸菌を含有している飲むヨーグルト、コンブチャなどがよく知られています。
コンブチャとは「紅茶キノコ」という名称でも知られている発酵ドリンクです。日本でなじみのある「昆布茶」とは全く別物になります。
コンブチャは紅茶や緑茶、ウーロン茶などのお茶に砂糖を加えたものをベースにして、スコービーと呼ばれる酢酸菌と酵母からなる菌株を入れて発酵させて作るドリンクです。その菌株がゲル状の塊になっていてキノコのように見えることから「紅茶キノコ」と呼ばれるようになったという説があります。
欧米ではコンブチャが定番ドリンクとなっており、健康志向の強い人や発酵食品が好きな人に好まれています。その味わいは紅茶由来の渋みと砂糖の甘味、酢酸菌の酸味と酵母が作る炭酸で、フルーティーな味わいになっています。
酵素ドリンクと発酵ドリンクの違いを徹底解説
酵素ドリンクと発酵ドリンクは名前が似ているため同じものという認識の方が多いです。
しかし酵素ドリンク・発酵ドリンクにはいくつかの違いがあります。ここではそれぞれの違いについてまとめてみます。
成分
酵素ドリンクと発酵ドリンクの成分には明確な違いがあります。
酵素ドリンクには、果物や野菜、穀物に含まれる酵素が豊富に含まれています。これらの酵素は、食事や健康的なライフスタイルをサポートしてくれます。また、ビタミンやミネラル、食物繊維も豊富に含まれており、栄養バランスの改善にも役立ちます。これらの成分は、体を内側から整え、健康をサポートする目的で摂取されます。
一方、発酵ドリンクには、乳酸菌や酵母などの微生物が多く含まれています。これらの微生物は、発酵過程で有機酸やビタミンB群などの栄養素を生成し、健康的なダイエットライフをサポートしてくれます。
製造方法
製造方法が少し異なります。
酵素ドリンクは、野菜、果物、穀物などを長時間かけて自然発酵させることにより作られます。このプロセスでは、素材に含まれる酵素を抽出し、保存することが目的です。発酵自体が行われるものの、乳酸菌や酵母を添加して積極的に発酵させるのではなく、素材の持つ酵素を活かし、できるだけその活性を保つことが重要です。温度管理や時間の調整が慎重に行われ、酵素が壊れないようにすることが必要です。
一方、発酵ドリンクは乳酸菌や酵母といった微生物を使って発酵させます。発酵過程では、原料に含まれる糖分が微生物によって分解され、有機酸やアルコール、二酸化炭素が生成されます。これにより、発酵ドリンクは酸味やアルコール風味を持つことが多く、健康に良いとされる成分が豊富に含まれます。発酵ドリンクの種類には、例えばコンブチャやケフィアなどがあり、これらはそれぞれ特有の発酵菌を利用して作られます
酵素ドリンクは、素材に含まれる酵素を抽出し、それを保持するための発酵を行いますが、発酵ドリンクは微生物の活動によって糖を発酵させ、酸やアルコールを生成することに重きが置かれています。発酵ドリンクの方がよりプロバイオティクスが豊富で、体内の腸内環境を整える効果が期待されることが多いです。
このように、酵素ドリンクと発酵ドリンクは、製造過程や得られる健康効果が異なる点で区別されています。
フレーバー・風味
前述したとおり、酵素ドリンクと発酵ドリンクは使用している原料や含有している成分・栄養素が異なります。そのためフレーバーや風味にも違いがあるのです。
酵素ドリンクは原料としてフルーツ、野菜をふんだんに使用しているため、素材そのものの酸味や甘味のある風味・フレーバーが特徴です。また長時間発酵させて製造しているので、発酵によって味覚の1つである「うま味」成分も含まれているのです。うま味成分とはアミノ酸やグアニル酸、イノシン酸などの成分になります。
味やにおいのクセが比較的少なく、粘度もないサラサラした飲み口になるので飲みやすいです。ただフレーバーや風味は商品によって異なります。酵素ドリンクを選ぶ際には自分の好みにあった香りや味を選ぶと続けやすいです。
一方、発酵ドリンクは飲むヨーグルトやコンブチャをイメージするとわかりやすいですが、酸味や甘味が強く、とろみのある飲み口です。人によってはクセがあると感じてしまうかもしれません。ただ少量でも満腹感を得やすいので、小腹が空いた時や朝食にもおすすめです。
目的
酵素ドリンクと発酵ドリンクは、それぞれ異なる目的で摂取されることが多く、健康や美容に対して異なるアプローチを持っています。
酵素ドリンクは、主に消化サポートやファスティングの際に摂取されることが多いです。酵素ドリンクは、果物や野菜に含まれる酵素を豊富に含んでおり健康にいいです。特にファスティング（断食）の際には、固形物を摂取せずにビタミンやミネラルを補給できます。
一方、発酵ドリンクには、乳酸菌や酵母などの微生物が豊富に含まれており、不足しがちな栄養素を補給する目的が強いです。
酵素と発酵はまったくの別物
酵素と発酵は漢字が1文字同じで、なんとなく似ているというイメージを持っている人が多いかもしれません。しかしその意味合いは全く異なります。
人間の体の中にはおよそ5,000種類もの酵素が存在していると言われており、それぞれの酵素は1つの働きだけをするスペシャリストです。
例えば「アミラーゼ」は唾液に含まれる酵素です。このアミラーゼは炭水化物を分解するスペシャリストです。つまり炭水化物以外は分解しません。
タンパク質を分解する酵素は別にあり、タンパク質を分解するのは「プロテアーゼ」になります。その他にも脂肪を分解するリパーゼや、核酸を分解するヌクレアーゼなどさまざまな酵素が存在します。
酵素は大きく「消化酵素」と「代謝酵素」の2つに分別されます。消化酵素は食べた物を分解して、体に吸収しやすいようにする酵素です。
酵素はタンパク質で構成されているため、熱変性を受けやすく加熱すると構造が変化して本来の機能が失われてしまいます。
一方、「発酵」は乳酸菌や麹菌、酵母などの微生物が食物を変化させて人体にとって有益に作用する現象のことです。反対に有害に作用する現象は「腐敗」と呼ばれます。
発酵は食物のおいしさ、栄養価、保存性を高めることが可能です。
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